鈍翁こと益田孝氏は、三井財閥の大番頭、実業家としてばかりでなく茶人として、また茶道具の大収集家として知られております。あまりにも有名なので、詳しいご説明は省きますが、2代目五郎三郎を可愛がって頂き、普通の道具屋から茶道具を専門に扱う茶道具屋になる、御指導を頂きました。
五郎三郎が亡くなった際に、これを悔やんで益田鈍翁老がお書きになり拝領した掛け軸です。鈍翁85歳の時でした。妻富子は、大変感激し心入れの表具に仕立てて、現在も大切にしております。
吉田梅露氏の逝去を悔やみて
梅の花 露ときえにし 夏きても さびしかるらん
あととへば 軽井沢
春もきびしき 井の頭の池 浅間の庵に 住む人もなく